削らない虫歯治療

当院では、削らないで虫歯治療を行う、ドックベストセメント治療を導入しています。

ドックベストセメントとは、鉄(Fe)イオンと銅(Cu)イオンによる殺菌力により、むし歯を除去しないで、無菌化する治療方法です。

従来のむし歯治療では、どんなに小さなむし歯でも、その周りを大きく削り取り、詰め物や被せ物で蓋をする治療が主流です。
この治療だと、むし歯が進行していくたびに、削る部分は大きくなり、どんどん健康な歯が小さくなってしまいます。

ドックベストセメント治療は、このような従来のむし歯治療の欠点をカバーし、削らずに治す、という事を実現させた新しい虫歯治療です。

特にむし歯を完全に除去すると神経まで達してしまい、神経を抜くことになってしまうような重症化したむし歯などにドックベスト治療を行うと、神経を抜かずに済む確率が高くなり、結果的に歯の寿命を伸ばします。

削らないで虫歯治療を行うドックベストセメント治療は、以下のような特徴があります。

1.痛くない治療

従来のむし歯治療と異なり、削ったり、麻酔などもほとんど必要ありません。
よって、あまり痛みを伴わない治療です。
重度障がい児のお子様への歯科治療も可能です。

２.歯の神経を残せる可能性が高い

鉄(Fe)イオンと銅(Cu)イオンによる殺菌力で、患部を殺菌しますので、感染が進行してしまった神経の治療に有効です。
歯の神経を抜かずに感染を抑えることができる可能性の高い治療法です。

３.象牙質を再生させる可能性がある

ドックベストセメント治療による殺菌力は、象牙質の再石灰化を促します。通常、一度、むし歯に冒されてしまった象牙質は再生しないとされてきましたが、この治療により再生が促される可能性があります。

むし歯に冒されている軟化象牙質を完全に除去しないで残します。
※下の図茶色の部分

残った軟化象牙質（茶色）の表面を殺菌水で殺菌洗浄し、特殊な薬剤を塗り（黄色）、その上からドックベストセメント（ピンク）で封鎖します。

その後、ドックベストセメントを残したまま、通常の詰め物（青）をして、治療は完了。1年程度で完全に殺菌され、軟化象牙質は、再石灰化して硬い象牙質になります。